「Cloudflare IPアドレス」と検索したあなたは、おそらく次のような疑問を持っているのではないでしょうか。CloudflareのIPアドレスって何のためにあるの?公式のIP範囲はどこで確認できるの?自分のサーバーで許可設定をするとき、どう扱えばいいの?この記事では、そんな疑問に冒頭でお答えします。
結論から言うと、Cloudflare IPアドレスとは、Cloudflareのプロキシ(CDN・WAF)を経由してサイトへアクセスしてくる通信元のIPアドレスのことです。ドメインをCloudflareに追加してDNSレコードをプロキシすると、訪問者が受け取るのは元サーバーのIPではなくCloudflareのIPアドレスになります。公式の現行IP範囲はCloudflareの「IP Ranges」ページが最も信頼できるソースで、IPv4とIPv6のリストが公開されています。サーバー側のファイアウォールでは、このCloudflare IPを許可し、それ以外をブロックするのが基本の考え方です。
この記事を読み終えるころには、Cloudflare IPアドレスの仕組み、公式情報の確認手順、設定時の注意点、そして関連ツールの選び方まで、ひととおり判断できるようになります。専門用語もかみ砕いて説明していきますので、初めての方も安心して読み進めてください。
Cloudflare IPアドレスとは何か
Cloudflare IPアドレスとは、Cloudflareのネットワークが持つIPアドレスのことです。Cloudflareにドメインを追加してDNSレコードをプロキシすると、訪問者がそのドメインを名前解決したときに返ってくるのは、あなたの元サーバーのIPアドレスではなくCloudflareのIPアドレスになります。これにより元サーバーのIPアドレスが隠れ、Cloudflareがリクエストを最適化・キャッシュ・保護してから元サーバーへ転送する流れになります。
Cloudflareは複数のIPアドレス範囲を持っており、それらはプロキシされたすべてのホスト名で共有されています。これらのIPアドレスは、CloudflareのAnycastネットワークの backbone を形成しています。Anycastとは、同じIPアドレスを世界中のデータセンターからアナウンスするルーティング方式で、訪問者のリクエストは近くのデータセンターへルーティングされます。結果として、表示速度の向上やDDoS攻撃への耐性が期待できます。
なお、Cloudflareのサービスを利用する際には、公式のIP範囲ページを確認するのが確実です。ここにIPv4とIPv6のリストがまとまっており、更新履歴も確認できます。
Cloudflare IPアドレスの公式IP範囲と確認方法
Cloudflareの公式ページ「IP Ranges」には、現行のIP範囲が掲載されています。最終更新日は2023年9月28日で、IPv4とIPv6のリストが公開されています。IPv4の例としては、103.21.244.0/22、103.22.200.0/22、103.31.4.0/22、104.16.0.0/13、104.24.0.0/14、108.162.192.0/18、131.0.72.0/22、141.101.64.0/18、162.158.0.0/15、172.64.0.0/13、173.245.48.0/20、188.114.96.0/20、190.93.240.0/20、197.234.240.0/22、198.41.128.0/17 などがあります。
IPv6の例としては、2400:cb00::/32、2606:4700::/32、2803:f800::/32、2405:b500::/32、2405:8100::/32、2a06:98c0::/29、2c0f:f248::/32 などが挙げられます。これらのリストはIPv4テキストリスト、IPv6テキストリストとしても利用でき、Cloudflare APIを使ってアクセスすることも可能です。
更新履歴も重要です。2023年9月28日には2405:b500::/32がips-v6に追加されました。2022年5月9日には同範囲がips-v6から削除され、2021年4月8日には104.16.0.0/12がips-v4から削除され、104.16.0.0/13と104.24.0.0/14が追加されました。2020年10月1日は変更なし、2017年6月7日には199.27.128.0/21がips-v4から削除されています。このようにIP範囲は随時更新されるため、定期的な確認が欠かせません。
Cloudflare IPアドレスが関係する仕組み
Cloudflareにドメインを追加してDNSレコードをプロキシすると、訪問者がそのドメインを参照したときに受け取るのはCloudflareのIPアドレスです。これにより元サーバーのIPアドレスが隠され、Cloudflareがすべてのリクエストを最適化・キャッシュ・保護してから転送します。プロキシされたDNSレコードへのすべてのトラフィックは、元サーバーに届く前にCloudflareを通過します。
つまり、元サーバーは個々の訪問者のIPアドレスからトラフィックを受け取るのではなく、プロキシされたすべてのホスト名で共有されているCloudflare IPアドレスからトラフィックを受け取ることになります。元サーバーのファイアウォールから見ると、限られた数の送信元から大量のトラフィックが来ているように見えるため、自動ブロックやレート制限が発動する可能性があります。ここがCloudflare IPアドレスを理解するうえで重要なポイントです。
この挙動を踏まえると、サーバー側の設定ではCloudflare IPを正しく扱う必要があります。たとえば、Cloudflareの開発者向けドキュメントでは、Cloudflare IPアドレスの許可設定や元サーバーの設定、外部ツールの確認などが解説されています。
Cloudflare IPアドレスのメリットとデメリット
まずメリットから見ていきましょう。元サーバーのIPアドレスを隠せるため、直接攻撃を受けにくくなります。Anycastネットワークにより、訪問者に近いデータセンターへルーティングされ、表示速度の改善が期待できます。また、DDoS攻撃の緩和やWAFによる保護など、セキュリティ面の恩恵も受けられます。キャッシュ機能によって元サーバーの負荷を減らせるのも大きな利点です。
一方でデメリットや注意点もあります。元サーバーのファイアウォールから見ると、すべての訪問者がCloudflare IPから来ているように見えるため、アクセス元IPをそのまま信頼したログ分析や制限が難しくなります。Cloudflare IPをブロックしてしまうと、正規の訪問者まで遮断してしまう恐れがあります。また、IP範囲は更新されることがあるため、許可リストを固定したままにすると、いつの間にか通信が通らなくなるリスクもあります。
さらに、AWS VPCルーティングとCloudflare IP範囲が競合するケースも知られています。クラウド環境で運用している場合は、ルーティング設定にも注意が必要です。こうした点を理解したうえで、自社の構成に合った設定を選ぶことが大切です。
Cloudflare IPアドレスを設定するときの注意点
設定の基本は、Cloudflare IPアドレスを許可し、それ以外のIPアドレスをブロックするという考え方です。Cloudflareのドキュメントでは「Allowlist Cloudflare IP addresses」と「Block other IP addresses(推奨)」という方針が示されています。ただし、Cloudflare IPをブロックすると正規トラフィックが止まるため、誤って遮断しないよう注意してください。
元サーバー側では、訪問者の実IPを取得するために、適切なヘッダーを参照する設定が必要になることがあります。ログに記録されるIPがCloudflareのものになっている場合は、実IPの取得方法を見直しましょう。また、IP範囲の更新に備えて、定期的に公式ページを確認し、許可リストをメンテナンスする運用体制を整えておくことが重要です。
セキュリティをさらに高めたい場合は、Cloudflareの追加保護機能やオリジンサーバーの保護設定を検討するのも一案です。たとえば、Authenticated Origin Pulls や、Cloudflare Tunnel などの仕組みを組み合わせることで、元サーバーへの直接アクセスをより制限しやすくなります。ただし、これらの設定は構成によって向き不向きがあるため、公式ドキュメントを確認しながら進めてください。
Cloudflare IPアドレスに関連するツールと学習リソース
Cloudflare IPアドレスを調べたり、自分のIPアドレスの情報を確認したりする際に役立つツールがあります。Cloudflare RadarのIP Address Informationでは、IPアドレスの地理位置情報やAutonomous Systemの詳細を確認できます。また、Cloudflare Dashboardにログインしてアカウントやゾーンを管理することもできます。
学習リソースとしては、Cloudflareの公式ブログやラーニングセンター、Qiitaの解説記事などが参考になります。書籍で体系的に学びたい方には、ネットワークやセキュリティの入門書が役立つでしょう。たとえば、Cloudflare入門のような書籍や、DNSがよくわかる教科書、TCP/IP入門などを手元に置いておくと、仕組みの理解が深まります。
クラウド全般を学ぶなら、Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築や、AWS認定ソリューションアーキテクトの対策書もおすすめです。セキュリティ面を強化したい方は、サイバーセキュリティの教科書や、情報セキュリティ読本を参考にするとよいでしょう。
ネットワークの基礎を固めたいなら、マスタリングTCP/IP 入門編や、ネットワークはなぜつながるのかが定番です。Webサイト運営の観点では、Webを支える技術や、HTTPの教科書も理解の助けになります。CDNやパフォーマンスに関心があるなら、Webパフォーマンス チューニングや、高速化Webサイトといった書籍も選択肢に入ります。
これらのリソースを活用しながら、Cloudflare IPアドレスの公式情報と照らし合わせて、自分の環境に合った設定を進めてください。
Cloudflare IPアドレスに関するよくある質問
Cloudflare IPアドレスはどこで確認できますか?
Cloudflareの公式「IP Ranges」ページが最も信頼できるソースです。IPv4とIPv6のリスト、更新履歴が掲載されています。Cloudflare APIから取得することも可能です。
Cloudflare IPアドレスをブロックしてもいいですか?
推奨されません。プロキシされたすべての訪問者がCloudflare IPから来るように見えるため、ブロックすると正規の訪問者まで遮断してしまいます。許可リスト方式で、Cloudflare IPを許可し、それ以外をブロックするのが基本です。
Cloudflare IPアドレスは変更されますか?
はい、更新されることがあります。実際に2023年9月28日には2405:b500::/32がips-v6に追加され、2021年4月8日には104.16.0.0/12が削除されるなどの変更がありました。定期的な確認と許可リストのメンテナンスが必要です。
元サーバーで訪問者の実IPを取得するには?
Cloudflare経由の通信では、適切なヘッダーを参照する設定が必要になることがあります。ログにCloudflareのIPが記録されている場合は、実IP取得の設定を見直してください。詳細は公式ドキュメントを確認しましょう。
まとめ:Cloudflare IPアドレスを正しく理解して運用しよう
Cloudflare IPアドレスとは、Cloudflareのプロキシを経由してサイトへアクセスしてくる通信元のIPアドレスです。公式のIP範囲はCloudflareの「IP Ranges」ページで確認でき、IPv4とIPv6のリストや更新履歴が公開されています。サーバー側ではCloudflare IPを許可し、それ以外をブロックするのが基本の考え方です。ただし、Cloudflare IPをブロックすると正規の訪問者まで遮断してしまうため注意が必要です。
IP範囲は随時更新されるため、定期的な確認と許可リストのメンテナンスが欠かせません。元サーバーで実IPを取得する設定や、AWS VPCルーティングとの競合など、環境ごとの注意点も押さえておきましょう。関連書籍や公式ドキュメントを活用しながら、Cloudflare IPアドレスを正しく理解し、安全で快適なサイト運用につなげてください。


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